さて吾々は要約する時に来た。
「文化社会学」と名乗る「社会学」は、ドイツ観念論哲学――
ヘーゲルのカントの又遠くはスコラからさえの――社会学的な分析に外ならない。
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それはドイツ古典哲学の終焉の後に、社会学という保護色の下に今日まで生きのびた、
落胤である（アルフレッド・ヴェーバーの歴史主義的伝統に於ける文化社会学は、
この点を最も好く代表していはしなかったか）。

哲学が優れて革命的であるに反して、実証科学がそれ程に革命的
――弁証法的――でない所以である。寧ろ之は改良主義的な外貌を
有つことも出来るだろう。――この区別は決して軽視すべきではない。
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実証科学をそれだけで全体だと見るならば、それは非弁証法的とも考えられる
――数学や物理学はその意味で形式論理のものだと考えられる。
かくて実証科学は弁証法的な哲学から絶対的に区別されるだろう。

在るものはただ歴史に於ける――平衡の破壊とその回復とを通じての
――「永劫の回帰」でしかなく、歴史はそのような循環運動に外ならぬ。
何故なら、彼の社会学は一般に（Michels等によれば）非論理的な
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行動の自然史だと考えられることが出来るのであるが、
この非論理的な行動の構造を特に取り出して分析するならば、
それが取りも直さず彼の知識社会学――イデオロギー論――となるのだからである。

之に反して、イェルザレムに於てはこうである。
人間の思惟は「社会的凝結」を以て始まる。
そこで、人間生活が群畜生活を抜け出す時初めて、
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社会的分化によって独立な人格が出来上る時初めて、
人間はこの社会的凝結を抜け出て、事実と法則との
客観的な認識を有つことが出来るようになるのである。

と云うのは、上層と下層との区別は、単に全く精神的なるものと多少とも
物質的なるものとの区別にしか過ぎず、それは存在の構造上の被規定者と規定者との
区別でもなければ、分析方法や叙述方法の上での優位者と劣位者との区別でもない。
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両者は凡ゆる点に於て同格・対等の位置に置かれるというのである。
であるから従って又、歴史は必ずしも歴史的必然性に
よってのみ動くものとは考えられない。

恐らくフィヒテの自己意識である「純粋自我」は、
このような意識の概念の最も代表的なものであったと考えられる。
処で恰も、この個人的意識が、かのブルジョア社会に於て、
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特有に重大な役割を有っていることを注意すべきである。
と云うのは、個人的意識の――個人の――自由はブルジョア社会にとっての、
時には幸福な又同様に時には不幸な根本原理として、意識されるからである。